そして、ドアノブに手をかけて
止まっている私に海璃くんは
近づいてきて、
「今日は学校、サボる。」
「っだ、ダメですよっ…!!
お、お母さんに怒られますっ…!!」
「それはお前がだろ?俺には関係ねぇ。」
「そ、そんなっ…!!」
海璃くんは一度言うともう何を言っても
ムダになる。
これで私が何回お母さんに
叱られてきたことか。
「お、お願いだから…
が、学校、行こう?」
「お願いだから?
…ふぅーん。紫乃、何様のつもり?」
海璃くんはふかふかのソファに
座って、まだドアにくっついている
私を睨んでいる。
機嫌が…悪い。
「ごっ、ごめんっっなさぃ…」
「そんなんじゃ許さない」
このながれ。
あぁ、また海璃くんの罠に
のこのことハマってしまった。
「紫乃。言うことあんじゃねぇの?」
