コンコン

「か、か海璃くん。は、入るょ…?」


ノックをしても返事がないのは
いつものこと。
でも、ノックしないと怒られる


ガチャ


「か、海璃くん。あ、朝ごはん…」

「…あぁ。そこおいといて。」

「わかった。」


ここは海璃くんの部屋で
ものすごく広い。
黒で統一されているこの部屋は
本当に必要最低限のものしかない。


「何つったってんの?襲われたい?」

「ひっゃ…し、失礼しますっ。」



「待て」


海璃くんに背を向けてドアノブに
手をかけていた私は
海璃くんの一言で止まってしまう。