駆け抜けた日々-The Best Swim Team-

「いいなー、腹滑りしたい。」

そう横で呟いたのは栞菜だった。
モップに顎を乗せて立つ栞菜はどこか遠い目で腹滑り中の3人を見ていた。

「いいじゃん?してきたら?」
「部T着てるし無理。」

そりゃそうか、と笑う。
この年になれば必然的に出てくるであろう男女の境も、部活内では一切無い。
そんな女子に危機感を覚えそうになるくらいだ。