「僕はランディの家族だよ。……そうだね、答えは、」
私は横に座ったフェイの顔を覗き込んだ。
優しく微笑んでいて……それがなんとなく、父の笑顔に似ていた。
「そのコーヒーを飲み干せば見えるんじゃないかな?」
「は…?」
私はフェイの言葉にマグカップの中を覗いた。
マグカップの中には、私が口にして少し減ってしまったコーヒーがゆらゆらと揺らめいているだけだ。
「変な冗談、やめてよね」
「冗談じゃないよ。じゃあ飲み干してごらん?…あぁ、飲むとき、あまり勢いをつけちゃだめだよ。大変なことになるから」
「何言ってんのよッ!」
ゆっくりとした口調で喋るフェイの声にだんだんとイライラしてきた私は、意味が解らないままマグカップの中身を一気飲みした。
私が思いっきりコーヒーを飲むと、フェイは隣で「あっ!あんまり一気に飲んだら駄目だよ!」と心配そうにこちらを見てきた。
ふと、口の中に異物が入り込んだのが解り、喉に勢いよく流し込んでいたコーヒーを止める。
なんとか器用にコーヒーだけ飲み、異物をマグカップに吐き出す。
「なんか堅いものが入ってたんだけど!!…………なにこれ?」
愚痴を言ってから私はマグカップの中を覗いた。

