コーヒーに溶け込んでいたのは、砂糖だけじゃなかったらしい。
今となっては、私の薬指にすっぽりはまってしまっているけど。
「ママ!見てみて!」
「んー?なーに?」
5歳の少女がきゃいきゃいと目の前ではしゃいでいた。
その姿に、何となく思い出した。
幼いころから、ずっと一緒居たんだなぁ、フェイと、私……
「ランディ、そろそろ出掛けようか」
きっと、これからもずっと一緒に居るんだろうな
「うん、そうね」
部屋の中には、香ばしく優しい香りが漂っていて、なんとなく父と母の顔を思い出した。
……私には、こんな大切な家族が出来たよ。
カーテンレースがひらひらと踊るように揺らめいていた。
空のてっぺんに昇った太陽は、今日も部屋の中を照らしている

