「あ~章ちゃん? 今用事あるとか言って 出て行ったよ? 家あがって待っとく?」 その女の人は 優しかった。 でも…「章ちゃん」と 呼んでることが胸に 引っかかった。 それでもあたしは 幼なじみかなんかやろう… そんな軽い気持でおった。 「あ…ええです。 もう帰りますんで…」 あたしは精一杯の 強がりでそう言った。