「わたしは息子の自殺を止めることができなかった」 「うん」 俺は頷くことしかできない。肝心な時に言葉がでない。 「仕事の事ばかり考えて何も、わかってやれなかった。気づいてなかった。息子の絶望を」 「うん」 ゴメン、オッサン、頭の中が真っ白だ。 「何でこんなことになってしまったんだ。後悔しても、もう遅い。息子は戻ってこない」 「うん」 泣き崩れるオッサンを俺は黙って見ていた。 自殺の理由は後追い自殺だった。