木場駅の近くに大きな公園があった。
女性はその公園の方へと歩いていく。
俺は、この夜道を女性一人にはしておけない気持ちから、女性の後ろを歩いた。
案の定、公園内のベンチにはスケボーをする若者や、ダンスの練習をしている女子大生、ヤンキー座りをしながら煙草を吸っている高校生がいた。
その中を女性は、まるでスキップをするかのように、軽やかな足取りで歩いていく。
その姿に、スケボーの若者やダンスする女子大生、ヤンキー高校生までもが彼女に見入った。
「おー、すげースタイル!」
「後ろにいる人、彼氏?」
「年離れすぎじゃない?」
そんな言葉が聞こえてきそうで、いや、実際に聞こえているのかもしれない。
とにかく、不安だった。
いざとなったら、守ろう。
そう決心する間もない。
そんなことは知らず、女性は、階段をずんずんと上がって行き、大きな橋があるベンチに座った。



