Successful Failure -短編集-




「あの・・・これ・・・」



そう言って吉良が俺に向けて差し出したのは、見覚えのある紙切れだった。



「これ・・・さっき・・・落とした・・・です」



落とした。
落としたというより、渡したって認識だったのだが・・・
どうやらその想いは届いてないらしい。



しょうがないので、俺は、それを受け取った。
そして、



「いや、これは吉良に渡したんだよ」