「ねえ、水島君。今日、これから暇?」 「ごめんね。今日はちょっと忙しいんだ」 女の子からの誘いを断る。 普段ならあまりないのだが、普段ないだけに、女の子の方もわりとすんなり受け入れてくれた。 俺は、吉良の方をチラッと見た。 相変わらずのろのろと教科書をカバンに詰めている。 先に行って待っていよう。 男とはそういうものだ。