俺は、小さく折った手紙を握り、吉良の席へと歩き出した。 吉良は、授業が終わり、ちょうど次の授業の準備をしているところだった。 俺は、そこを通り過ぎる瞬間を狙って吉良の机にそっと手紙を置いた。 すれ違いざまに振り返ると、吉良と目が合った。 手には俺が落とした手紙を持っていて、それを俺が見ているところでポッケに入れた。 その様子を見届け、俺は、その足で廊下に出て、トイレへ向かった。 その間に他の人には見られていないはずだ。 作戦は難なく成功した。