「ほら、こっち来なよ」
そう言って、山縣さんは私を奥の部屋へと案内した。
そこには、白い布が敷いてあって、傘がついたライトが置いてある部屋だった。
「ここは?」
「ここで、お客の写真を撮るんだよ」
へー、ここで・・・
「で、俺の仕事は、カメラマンのじいさんのアシスタントってわけ。お客がいない時は、たまに自分でも撮ったりするんだぜ?」
山縣さんは、傘がついたライトの電源をつけた。
「これを、この露出計で数値を測るんだよ。見てな」
黒いリモコンのようなものを押した時、ライトがピカっと光る。
「これで今、5、6かあ・・・」
「それって、なんか意味あるの?」
「大アリさ。これでライトのバランスを決めるんだ。カメラマンとしては、これが結構重要でさ。俺も、まだじいさんから任せてもらえないんだ」
「へえー、大変なんだね・・・」
「まあな。でも、俺、今年の夏休みに学校辞めて、上京するんだ。それをじいさんに認めさせるために、せめて、ライティングくらいはできておかないとなって」
そう笑う山縣さんがちょっぴり大人に見えた。



