黒いものをよく見ると、昆布だった。 昆布・・・ん?昆布? 「まさか、僕にくれるの?」 女の子は、じっと僕を見つめたまま何も言わない。 受け取ればいいのだろうか____いや、違った。 受け取ってはいけなかった。 女の子は差し出した手をひょいっと上に挙げ、それを自分の口に含んだ。 なんだ? 意地悪か? そして、女の子は、その昆布を食べ終わった後、俯きながら静かに言った。