この世に生まれたことを、こんなちっぽけな才能で生まれたことを一生憾んでやる。 もし、何かしら秀でた才能を持って生まれたとしたら、僕は、こんな思いをしないで済んだのに。 何もない。 誇れるものは何もない。 この世で生きた証を、その証で人をどうこうできる可能性もない。 そんな希望もない僕が、ある日、突然、恋をした。 姿無き、偶像に、 僕は、恋をした。