佐和子は一人で帰路についていた。 行船公園の通りを左へ曲がり、 棒茅場通りをまっすぐに歩く。 カレー屋、古い銭湯、電機屋、居酒屋を抜けて、よく行く美容院と酒屋の間の道へ曲がり、住宅街へ入る。 そこで、少し前を歩いている香恋を見つけた。 佐和子は香恋を見つけると、ダッシュで香恋の背中を押した。