どこにもない。 化粧ポーチ、手帳、ハンカチ、ティッシュ、筆記用具、腰物・・・ カバンをひっくり返しても、ポケットを探っても財布はどこにもなかった。 どこかで落としたのだろうか。 たしか、会社を出るときにはちゃんと手に持っていた。 それからズボンの後ろポッケに入れて、それから・・・ はっ! まさか、さっき小学生にぶつけた時に? いや、それはない。 そんなに衝撃はなかった。 だとしたら、途中で掏られたのだろうか。 それよりも私は、とんでもないことに気づいた。 煙草が買えない。