『そこで待ってろ、すぐ行くから。』

そう言うと、さっさとブチッと電話は切れて、あとは虚しいツーツーという音だけが流れる。

待ってろ、ってことはここに来るってこと?

あーあ、またなんだか面倒なことになりそうな予感。

「速水君、なんだって?」

「うーん、なんかこっちに来るみたい。ごめんね、ミラちゃん。」

せっかく一ノ瀬君のお誕生日プレゼント選びに来たのに、なんの役にも立てなくて、それどころか大和まで来ちゃうなんて。

「ううん、速水君、来てくれたほうが直接アドバイス聞けるもんね。助かる!」

ミラちゃんはそう言うとにっこり笑ってくれる。

ミラちゃんって優しいな。

ものすごく可愛いし、いつもみんなより一歩下がってる感じがして、お上品だし、本当に理想の女の子。

それに英語もペラペラだし、一ノ瀬君のことを話してる時はすっごく可愛い。

「さく!」

名前を呼ばれて、向こうから大和が歩いてくるのが見える。

あれ?