目の前で起こってることに夢なんじゃないかって思った。

だってずっと好きだった、好きだけどどうしても手に入らなかったさくが俺のことを好きだって言ってる。

「意地悪で、わがままで、自分勝手で強引な大和が好きっ…」

俺はたまらなくその姿が愛おしくて、さくの小さな体を抱きしめた。

久しぶりに触れるこの感触。

柔らかくて、細くて、力を入れたら折れてしまいそうで。

「やっと気づいた。…遅いから。」

俺が何年お前に片思いしたと思ってんの?

やっと通じた、二人の気持ち。

欲しくて欲しくてたまらなかったものが手に入った。

涙目で俺を見上げるさくがかわいくて、好きで。

もうそれしか思い浮かばないくらいさくのことを思ってる。

「好きだよ。…さく。」

ずっとさくだけを、これからもさくだけを。

さくのすべてが好き。

泣き虫なとこも、バカなとこも、天然なとこも。

お人好しで優しいところも、ウソが付けないところも。