どんどん仲が深まっているように感じる。

さくの話からどれだけさくがそいつを思ってるか、伝わってきて。

それが辛くて、もしかしたらこいつはもう二度と俺のものにはならないのかもしれない。

だからさくを忘れるために、ちょうどそのとき告白してきた花恋と付き合った。

花恋は一つ年上だったけど良い意味でそんなふうに見えなかった。

控えめで大人しくて、付き合ったのも俺が初めてだったそう。

小さくて華奢な体型と白い肌、それから大きな少しタレ目気味の目はどことなくさくに似ていた。

最低だと自覚していたけど、無意識のうちに花恋のなかにさくを探している自分がいた。

さくと花恋を重ねあわせていた。

そんな花恋に別れを告げたのは俺の方。

やっぱりさくを忘れられなかった。

「別れたい。」

そういった俺に花恋はいつものように笑った。

「うん、わかった。」

いつでも俺の言うことを聞いていた花恋。