「もう、僕の手伝うことはなさそうですね。では…」
               幸子は青年の後ろ姿に気持ちを込めてお礼を言った。
               「探偵さん、ありがとね。」
               それが、幸子の本当の意味の最後の言葉になった。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                   「幸子さん、天国についたら健君を誉めてあげてくださいね。そして、二人でお母さんを守ってあげてください。」
               青年は今日もまた成仏できない幽霊を成仏させるため歩きだした。