「また病院に戻りますよ!」
               そういうと青年は近くの駅でタクシーを拾い、病院へ向かった。
               病院へ着くと青年は幸子に言った。
               「さぁ、健君が待ってますよ!」
               「たける…健!そうよ!思い出したわ!私は健を迎えに来たのよ!あの子寂しがり屋だから…。でもあなたには健の姿が見えないってことは…健は成仏してるのね?」
               「確かに成仏してることになるでしょう。ですが、健君は絶対に幸子さんを待っています。幸子さん、あなたには見えるはずです。」
               幸子は周りをキョロキョロ見だした。そして急に思い出したように走りだした。
               「屋上!屋上のブランコ!」
               幸子は心の中でそういいながら屋上へ向かう。青年も必死になり跡を追った。
               屋上には古いブランコがあった。でもあまりに古いせいか誰にも使用されていないような感じだった。
               「健!お姉ちゃん来たよ!迎えに来たよ!」
               幸子が叫ぶとブランコが少し動いた。もしかしたら風のせいかもしれないが、青年は違う気がした。
               「…ありがとう。」
               幸子は振り向いて青年に言った。