どうやら幸子と弟の交換ノートらしい。
               青年はそのノートをじっくり読んでいると、最後のページに弟からのメッセージらしいことが書かれていることに気付いた。
               〈はやくびょういんからでれるように、いつもがんばるからゆきちゃんとはやくがっこうにいきたいよ。ぼくがげんきになったらびょういんにいるからむかいにきてね。〉
               「お母さん、失礼ですが、健君が亡くなった日はいつですか?」
               「幸子が事故で亡くなった二日後が健の命日にあたるのよ…。」
               それを聞いた途端、青年の頭の中ですべてが繋がった。
               「あっもうこんな時間だ!お母さん、時々幸子さんにお線香あげに来てもいいですか?」
               「ええ。」
               青年は軽く礼をして、幸子の家をあとにした。
               「幸子さん、なぜあなたが死んで間もない二日後に病院にいたかわかりましたよ!」