―side NANASE―



毎度毎度、騙される自分に嫌気がさす。


「芹(せり)…!わたし、合コンなんて聞いてないよ!?」

「だって合コンだって言ったら絶対来ないじゃない。

出会いは求めないと無いのよ!?」

「わたしは求めてないっ…」

「ナナが探してる人と再会できるかもしれないじゃない!」


その言葉には、思わず抵抗する力も緩んでしまって。


「ほらっ、行くわよ~!」

「あっ、ちょっ、…もう…!!」


腕を引かれながら、あの日のことを思い出した。



―夏のとある夜



「…ふう…」