18歳から二十歳までは、飲食店やコンビニ、
ガソリンスタンドと色々なバイトをしてふらふらしていた。

二十歳になった頃、ケンゾーに紹介してもらいホストになったが、
行く先々でナンバーワンを蹴落とし、疎まれ、続かず。

結局今に至るまでに、
この繁華街の中のホストクラブのほとんどでナンバーワンとして名を残した。

それも元々、この繁華街で「キョウ」という人物は有名人だから、
というのもあるのだけれど。

そのため、その「キョウ」が今はバーテンをやっている、
という噂はあっと言う間に広まったようで。


「あ~ほんとにキョウがいる~!」


と、訪ねてくる女性客が後を絶たない。


「…すいません」


その度キョウはマスターに頭を下げるのだけれど、


「気にしていませんよ。どんな理由であれ、

当店に足を運んでくれるのはマスターとしてとても喜ばしいことです。

それに、サキくんの時もそうでしたからねえ」


と、マスターはいつも笑顔で受け入れてくれる。