「大丈夫だ。
この裁判で、俺は裁かれないから。
既に向流の脱走に対する罰は決まっているから。」
「罰せられたのか⁇」
林猫は困ったような顔になってから、
「少しだけな。」
と笑った。
「でも、向流が気にするほどのことじゃない。
今は自分自身と向き合っていろ。」
「分かった。」
バンー
「うるせーよ、黙ってろ。」
俺じゃなくて、林猫が騎亜に蹴られた。
「ちょっ……騎亜‼︎
悪いのは、俺であって 林猫は何も悪くないだろ⁉︎」
「向流、俺はいいから。
黙って……うっ……」
騎亜はもう1度、林猫に蹴りを打ち込んだ。
「林猫は向流の連帯責任用として、ここに居るんだ。
向流が受ける罰は全て、林猫も受けることになっている。
向流が少しでも変なことをしたら、傷つくのは林猫だ。
覚えておけ。」
「……は⁇」
「おい。」
もう1度騎亜は足を動かした。
もちろん、行き先は林猫。
「お前が黙っていれば、林猫は傷つかずに済む。
わかったか⁇」
……。
俺は何も言わなかった。



