「だから、敬語。」
もう1度、髪を抜かれた。
さっきよりも いっぱい抜けたし……。
「でも、痛い……」
「だーかーらー‼︎」
今度は耳を引っ張ってきた。
「いでぇ……いでぇよ……。
謝るから、もう辞めてくれ……ください。
頼む……頼むから……やめ……てくれ……です。」
「向流、お前 敬語使う気あんの⁇」
「……あんまり。」
「だろうな‼︎」
理羅は俺の顔面に回し蹴りを打ち込んできた。
バシー
片手で止めたけど。
手錠、外れた。
脆かったんじゃねーの⁇
「ちょ、理羅。
手錠……どうにかして……欲しいです。
俺、別に 逃げる気とかないのに 取れちゃった……ので、勘違いされる前に 対処……お願いします。」
流石にこの事態はヤバイから、何とかしてもらわねーと……。
「……ったく、逃げんなよ⁇
新しい手錠 持ってくる。」
理羅は俺に背を向けて、小部屋みたいなところに入っていった。
「おー、あったあった。」
理羅が手錠を持って帰ってきた。



