「当たり前だ……とりあえず、これをつけておけ。
お前の力なら、簡単に壊せるのかもしれないが……生憎、これしか持ち合わせていない。
我慢しろ、壊すなよ。」
騎亜が俺の手に手錠をかけた。
「あぁ……、分かった。
それよりも、林猫が俺の所為で死刑になりかけた……っていうのは本当か⁇」
重くなった雰囲気。
変わった空気。
鈍感な俺にでも分かった。
「死刑ではない……奴隷区 行きだ。
この磔台では、魔力剥奪を行う予定だったんだ。」
騎亜と同じ、時のグループの覇悪が口を開いた。
因みに、覇悪は 時のリーダーもしている。
「本当に……」
「話は後にしよう。」
再度、謝ろうとすると 林猫に遮られた。
林猫は何か 思い詰めたように見えた。
もしそうだとして、原因が俺だったら 本当に悪いことをしたと思う。
「「restriction」」
騎亜と覇悪が同時に唱え、身体が急に重くなる。
拘束魔法、かけた相手の行動・魔力を制限することができる。
それにしても、2人同時にかける必要はないだろ……。
俺だって、拘束魔法なんて1人分で十分に効くのに……。
どれだけ、要注意人物だと思われてんだよ……俺。



