そして、消滅の時間とその人の歩んできた人生とは少しの関わりがあるっていうのも聞いたことがある。
……この衛兵たちは誰からも覚えてもらえていない、そんな寂しい人たちだったんだな、そう思う。
だから、俺は覚えていよう……とかは思わないけど。
辺りがザワザワしてきた。
後ろの方から、大人数が移動してきている感じがする。
振り向いて、確認をしたいけれど はりつけられているから、当然 そんなことはできない。
魔術で透視をしようとしたが、できない。
全魔力を封印されているようだ。
そのまま、大人数の移動を待っていると
「向流……向流じゃないのか⁇」
と声をかけられた。
「何で、はりつけに⁇」
「そんなことよりも、早く降ろすぞ。」
森羅……同じ闇グループの超越者仲間……の声で、俺は磔台から降ろされた。
「……にしても、向流 肌の色 可笑しくないか⁇」
そう言って、雷志が俺の腕を触る。
「痛いから、やめて。」
「あぁ、悪い。」
雷志はすぐに手を引っ込めた。
「とりあえず、林猫 良かったな。
刑が施される前に向流が見つかって。」
騎亜が性格悪そうな顔で林猫に言い放つ。
「……そう、なのかもな。」
林猫は囚人服を着ている。
俺と同じだ。
「勝手に逃げ出したりして、悪かった。
特に林猫……本当にすまない。
もう逃げるのはやめた。
……早く、城に帰ろう⁇」



