最後の命令、即ち 死ね ということ……。

でも、ロードには逆らえない。

俺に許されているのは

「分かりました。」

その言葉を唱えるだけ。

「んなら、お前等 向流と一緒に転送してやる。
林猫のために緊急 用意された磔台が中央広場にあるはずだ。

そこに向流をセットしたあと、死ね。

いいな⁇」

さっきまで、俺を殴ったり蹴ったりしていた衛兵は揃って敬礼をした。

自分が死ぬ、ということに抵抗はないのか⁇

それに……ロードは死についてどう思っているんだ⁇
軽く考えているのではないか⁇

「ロード、その衛兵たちが死ぬ必要はないと……」

バンー

聞きなれた音が空気を切り裂く。
弾丸が頬をかする。

「お前が俺に口出す権利があるのか⁇」

「ないことは分かっている、だが……」

「それなら、口出すな。
お前は俺が考えていること、思っていることがわかるのか⁇

お前は、ここにいる衛兵たちが下界……バンパイアが生活している場所に降りると 身体中の壊疽が始まり、どのみち死ぬ運命にあることを知らないんだろう⁇

身体中の細胞がどんどんと破壊されていく……
しかも猛スピードだからその分、痛みが生じる。

そんな中、唯一残されている楽な道はすぐに死ぬことだろう⁇

こいつ等は魔術が使えないから、戻ることはできないんだ。

となれば、その場で死ぬしかないだろう。」