立ち上がった俺は、衛兵に頭を少し下げて 壁にもたれかかった。

「おい、てめぇ 何勝手に向流に手助けしてんだ⁇」

騎亜のイライラの矛先は、俺に肩を貸してくれた衛兵に向いていた。

「すみません。」

身体を直角に曲げて、謝っている衛兵を見て 騎亜は

「てめぇ、衛兵 辞めろ。
明日から、奴隷区に行け。」

なんて、言っている。

どんだけイライラしてんだよ。

それに、気に触ることがあったとはいえ、騎亜が衛兵を奴隷にすることなんて できねーだろ。