微笑みながら私の頭に手を置く成田さんをみると
何故か私も手を伸ばしていた
その私の手は震えて、でも確実に成田さんの頬を触れるように伸びていく
仕事中だと言うことを忘れて、私はこの目の前の人をたった一人の男性を…
「いらっしゃいませー!」
店内に黒服の声が響いた
その声に目が覚め、伸ばした手を引っ込めた
なにやってんだろ…と少しだけ後悔し
「なんちゃって!」
とあからさまに笑って見せた
それからの私は凄かった
自分って本当プロだなって思えるほど
普通にお話をして、普通にお酒を飲んで、普通に楽しい時間を過ごした
分かってる
この人は今はお客様で、普段は同じ会社の人
本当たったそれだけの関係だって
「またくる」
そうくしゃっと笑って手を振って帰ってく彼をみると、切なくなった
私はきっとこの人の事を好きになってしまったんだ

