「母ちゃんってすごいのねえ…」

「?詩音ちゃん、いきなりどうしたの?」


昼間の事を考えていたら、声に出ていた
今はもう夜のバイトに来ているのに
側にいた仲の良いキャストの子が首を傾げたので、適当な言い訳をして逃げようと歩き出したら、店長に呼び止められた

なんと、出番になったらしい
今の私は後藤彩奈じゃない、詩音だと目の前の鏡をみて、少し口紅を載せてから、背筋を伸ばしてホールへ向かった