青い記憶


バイトが終わり、店が入っているビルの一階、自販機とベンチが並んでいる雄ちゃんと待ち合わせをした場所に向かう。



エレベーターから降りると、雄ちゃんが先にベンチで座って待っていた。



私に気づき「お疲れ」と微笑む雄ちゃん。


緊張していたけど、雄ちゃんの笑顔に少し和らぐ。



「疲れてるのにごめんね」



「全然大丈夫だよ。で、話ってなに?」



雄ちゃんの隣に座る。



「あのね、中3の時のこと…」



黙って頷く雄ちゃん。



「あんなに仲良くしてたのに、私が急に冷たくして、避けるようになって…あの時は本当にごめんなさい」



雄ちゃんに向かって頭を下げる。雄ちゃんは何も喋らない。恐る恐る顔を上げると驚いた顔をしている。



「あーちゃん、そんなことずっと気にしてたの?」



「…うん。雄ちゃんのこと傷つけちゃったと思って、だけどちゃんと謝れなくて、そのまま塾もやめちゃって…ずっとモヤモヤしてた」



雄ちゃんの驚いた顔が、だんだん笑顔に変わっていく。



「やっぱりあーちゃんだな。そんなこと今まで気にしてくれてたなんて、さすがだよ。俺が惚れただけある」



そう言って冗談っぽく笑う雄ちゃん。


あまりにもサラッと言うから、こっちが恥ずかしくなる。



「俺さ、あーちゃんが俺のこと避けるようになった時、すっごい悩んだ。なんか酷いこと言ったかなとか、なんかしたかなとか。だけど全然心当たりなくて」



前を向きながら話す雄ちゃん。その懐かしい横顔を見つめながらじっと話を聞く。