青い記憶


晴くんが戻ってくる前に電話は一旦切れたけど、またすぐにかかってきた。




「あー・・・。ちょっとごめんな」




バツの悪そうな顔で携帯を持って部屋から出て行った晴くん。




ドアは閉め切られたけど、廊下から微かに聞こえる声に耳を済ませた。



前までこんなことしたことなかったのに。自分に嫌気がさすけど、それでも気になり出したら止まらない。




「…どうした?何かあった?」




微かに聞こえてくる晴くんの優しい口調に、心臓がギュッと縮む。


こんなに優しい声。普通、男友達には使わないよね…




「……まじか、大丈夫?…あぁ、なら、よかった。……うん…うん、……ははっ、怖すぎだろ女子校」




心臓がキリキリと痛む。これ以上、聞く自信はないけど、もう耳を塞ぐことすらできない。


心配する優しい声に、安堵する声に、楽しそうに笑う声。



それに"女子校"って…





その後のことは、どんな会話をしたとか、どうやってバイバイしたかとか、あまりよく覚えてない。


でも、晴くんが電話してる時の声と、その後晴くんの顔がちゃんと見れなかったことと、うまく笑顔がつくれなかったことと、胸の痛みは鮮明に残っている。