「ありがとう晴之くん。晩のデザートに頂くわね」
嬉しそうに冷蔵庫にケーキを入れるお母さん。
「お母さんのためでしょ?ありがとう晴くん」
小声で晴くんの肩を肩で小突いた。
「シッ」口に指を当てて笑う晴くん。可愛い笑顔に胸が疼く。
暫くするとお母さんは仕事に出て行き2人きりになった。
カウンターキッチンに入って紅茶の用意をする。
冷蔵庫を開けてミシューのロゴが入った箱を取り出す。箱を開けると綺麗にならんだショートケーキが4つ。
私の家は母子家庭で、お母さんと2個下の妹と3人暮らし。
まだ暑さが残る中、朝から遠回りになるミシューにわざわざ寄って、家族みんなの分を買ってきてくれた晴くんの優しさが身に沁みる。
お湯を沸かしていると、晴くんもキッチンに入ってきた。
「何かすることある?」
「じゃあ、3段目の花柄のお皿とってケーキ並べてくれる?」
「オッケー」
そう言って食器棚からお皿を出す晴くん。
キッチンに並ぶとなんか夫婦みたいで気恥ずかしい。

