青い記憶


「その紙袋なに?」




「ひみつ〜」




なんてニヤニヤ笑う晴くん。



私より先にリビングに入っていく。




「晴之くんいらっしゃい」




お母さんは昼前から仕事に出かけるから、まだ家にいる時間。




「お久しぶりです。あのこれ、ほんの少しの気持ちなんですけど…」




そう言って晴くんはお母さんにさっきの紙袋を差し出す。



それを驚いて嬉しそうに受け取るお母さん。




「ねぇ、なに?」




晴くんの横に立って聞くと




「ひみつ〜とか言って別に大したもんじゃないんだけど」




と少し恥ずかしそうに笑う。




「うわぁ!美味しそ〜」




紙袋に入っていた箱を開けたお母さんの目が輝く。



箱の中を覗くと、4つイチゴのショートケーキが入っていた。



思わず頬が緩む。




「ねぇ、これってミシューの?」




私が聞くと嬉しそうに笑う晴くん。




「そう。久しぶりに食べたくなって、そしたら亜美が前に、お母さんが食べてみたいって言ってたって話してたの思い出したから、買ってきた」




なんて言ってるけど、自分が食べたくなったのは口実で、きっとお母さんのために買ってきてくれたんだ。