青い記憶


「ごめん、冗談だって…そんなまじで怒んないでよ…」



言葉をつまらせながら、笑って誤魔化そうとする女子。



だけど森本くんは冷たい目で見下ろしたまま。




「冗談でも言っていいことと悪いことがあんだろ。気をつけろ」



森本くんが低い声で唸るように言葉を放つ。



女子たちは慌てて逃げて行った。



美優の方は振り返らずに黙って教室に入っていく森本くん。




振り返って様子を見ていた美優の目は潤んでいた。



森本くんが教室に入ったのを見届けると美優も自分の教室に戻っていく。






静かだった廊下がいつもの騒がしさを取り戻し始める。



美優が橋田をふったことを口にする人はいなくなった。








2人は悲しいほど、まだ同じ気持ちだ。



こんなに想いあってるのに



別れを選んだ切なさと



恋の儚さに、また胸が痛んだ。