「・・・・。」 あたりは一面の銀世界なのに、そこに吹く風は全然冷たくなくて、不思議だった。 「不安、なんだよ。」 ナツはついに俯いた。 「.兄貴はすごい優秀なやつでさ。みんな期待してたんだ。俺も憧れてたんだよ。」 苦しげに吐き出す言葉に、ナツの思いが凝縮されているようだった。 「ナツ。」 自分とは、悩みのランクが違う。 でもさ。