ナツはやっと私の顔をみて、笑った。


「変な顔。」

「だ、だってさ、ナツ。それ、ヤバい話じゃないの。」


王子様が行方不明って。



「幸いなことに、国民にはまだバレてない。」


「そうなんだ。」


「でも、早いとこ見つけないとまずいのは確かだ。」


ナツは困ったようにため息を吐いた。



「今の王は、もうすぐ隠退するっていってんからな。」




「・・・・見つからなかったら?」




ナツは言いたくなさそうに、小さく呟くように
いった。




「俺が王になる。」