黙り込んでる詩音に叶亜が大きくため息を吐いた。 「……証拠もないのに、そんな出任せ言うな。君のせいで、殺人犯を野放しにする可能性だってあるんだぞ」 ……そんなことは分かってる。 葵に「殺してないよね?」って同意を求められたとき、頭の中に過った考え。 でもそんなのは詩音に分かるわけがない。 「……だから私が、私が葵の無実の証拠を見つけます。葵は絶対舞を殺してないって、証明してみせますから」 知らぬ間に口から出ていた言葉。 叶亜が面白そうに口元を引き上げる。