パタン、とドアが閉まり、部屋には叶亜と詩音の二人だけになる。 叶亜は「これでいいだろ?」と、部屋の中を動き回りながら、話を促した。 「で?どういうことなんだ。なぜ、嘘ついた?」 「……実は」 詩音は今朝のことを詳しく叶亜に話した。 叶亜は質問もしなければ、相づちもうたない。 ただ、部屋の中をじっくりみているだけ。 ほんとに聞いてるのか、と疑いたくなるくらいだ。