やられた。 阿部は瞬時にそう思った。 「阿部さんはさっき、僕の店の悪口を言いましたからね。甘いものが苦手な阿部さんがどういう反応をするのか、気になりました」 悪気のない満面の笑顔で言う叶亜。 この野郎。まるでガキじゃねえか。 「俺はお前をそんな風に育てた覚えはないぞ」 「僕は阿部さんに育てられた覚えはないです」 「とことん、生意気だな!!おい、淹れなおせよ」 阿部は甘ったるいコーヒーを叶亜に返した。 叶亜が「勿体ないので、どうぞ」と阿部に押し返す。