それ以上、叶亜の哀しい顔が見たくなくて、詩音は「そういえば……」と話題を変えた。 「猫田教授の話……。本当なんですかね?」 「ああ。嫉妬に狂った正反対の女どもの話か」 もっとマシな表現の仕方はないのか。 思いはしたが、また口に出すと100倍にして返ってくる。 詩音は無視して話を続けた。 「……葵が暴走族と絡んでるなんて聞いたことないし……。それに、あの二人は親友でっ……」 「憎む相手が親友ねぇ」 叶亜が橋の下をのぞきながら言った。