「ううん。葵は全然悪くないよ。私の方こそ、ごめんね。」
葵はフルフルと首を横に振る。
「……葵さん」
叶亜が悲しそうに目を細めた。
「舞さんはあなたと光さんが付き合ってたのを知ってた。なのに、彼女はあなたを全く恨んでなかった。……なぜだと思います?」
葵は「……わからない」と視線を地面に落とす。
「分からないでしょうね。あなたは、舞さんの気持ちを分かろうとしなかったから。……彼女は裏切られてもあなたのことを愛してたんです。友達としてではなく、"親友"としてね」
その言葉を聞いて葵は口元を手で覆った。
叶亜は攻め立てるように言葉を続ける。

