喫茶の謎解き意地悪紳士2



「僕は銃の命中率だけは外さない。だから安心しろ」

どう安心しろと言うんだ。

詩音が「全く……」とポケットから絆創膏を取り出そうとすると、それより先に目の前に絆創膏が差し出された。

「えっ?」

目の前にいたのは、涙目の葵だった。

よほど怖かったのか、唇を噛み締めている。

「……ごめんなさい。詩音。私、詩音が捕まえられたところ見てたのに。助けられなくて……最低だよね」

葵は「ごめんっ……」と溢れた涙を拭った。

嗚咽をあげて泣き始める。