「僕は銃の命中率だけは外さない。だから安心しろ」 どう安心しろと言うんだ。 詩音が「全く……」とポケットから絆創膏を取り出そうとすると、それより先に目の前に絆創膏が差し出された。 「えっ?」 目の前にいたのは、涙目の葵だった。 よほど怖かったのか、唇を噛み締めている。 「……ごめんなさい。詩音。私、詩音が捕まえられたところ見てたのに。助けられなくて……最低だよね」 葵は「ごめんっ……」と溢れた涙を拭った。 嗚咽をあげて泣き始める。