震える手でファイルを開く。
ぎっしりと資料が挟まれている。
「彼の兄は暴走族のお頭でな、薬物や暴行の疑いで何度も警察に捕まってる。そして、そいつも暴行で捕まったことがあるよ。そいつらが拠点としてるアジトはこの大学近くの古い廃墟だから、何度もここに来てるみたいだし。」
そんな危険人物が何度もここに来てるのか。
考えただけでゾッとする。
それより……。
「……なんで舞はそんな人と……」
舞は比較的大人しい。
なのになんでこんな警察沙汰にもなってる人と……。
「僕や君にとったら、"そんな人"だろうけど、彼女にしたら"大切な人"だったんだ。だから全てを彼に託せた。裏切られていると知っていても」
叶亜が一枚の写真を詩音に渡した。
その写真には、腕を組んで夜の繁華街を歩く光と葵の姿が写っていた。
「舞さんの部屋のアルバムから出てきた写真だ。彼女は気づいていたんだよ。浮気にね」
もし自分の恋人が、信じていた親友と浮気していたら――。
考えただけでも胸が苦しくなる。
それ以上写真を見れなくて、詩音はテーブルに伏せて置いた。

