詩音は騙された自分が歯痒くて、「ああっ!」と髪をぐしゃぐしゃにした。 「じゃあ、私は全部あなたの作戦通りに動いてた訳ですか?」 「今さら……。君も阿部さんもあの女も、みんな僕の手中。手のひらで転がせるんだよ」 自慢げに言ってくる叶亜に腹がたつ。 詩音がイラついてるのが分かったのか、阿部が「そ、そうそう」とテーブルの上に一冊のファイルを置いた。 「……これは?」 「昨日、叶亜と調べたんだ。山崎光。……被害者とその親友の恋人。」 山崎光……。 彼があの二人の関係を狂わしたんだ。