いつもの詩音のお気に入りの席に座っていたのは、うどんを食べている叶亜と阿部。
「な、なんでここにいるんですか!?」
「まあまあ座れって。ことこちゃん」
「ことねです」
「あ、わりぃ。詩音ちゃん」
詩音は阿部をいちべつしてから、向かいの席に座った。
それと同時に、叶亜が「どうだ?」と唐突に聞いてきた。
「どうだ?って……。何がですか?」
「彼女の評判だよ。地に堕ちたろ?」
ニヤッと口元を引き上げたその笑顔に、詩音の中の疑問が全て解決する。
「まさか、生徒みんなにメールを送ったのも、ホワイトボードにあんなこと書いたのも……全部あなたなんですか?」
そうすれば、詩音のもとにメールが来なかったのも辻褄が合う。
叶亜は「正解」とも「不正解」とも言わず、ただうどんを食べている。
何も答えない。
それが肯定を示していた。

