ひとつ不思議なのは、詩音のところにはなぜか来なかったということ。 詩音がメールに呆気にとられていると、「何よ!これ!」と聞き覚えのある声が聞こえてきた。 部室に飛び込んできたのは、話題の中心人物の遠山葵。 腫れた頬を見て、ズキッと胸が痛くなる。 葵はホワイトボードの文をみると、ゆっくり詩音の方へ視線を動かす。 「……詩音が、やったの?」 「違う!私じゃない!」 「今朝、このメールが生徒に一斉送信されたんだ。」