綾華が言葉を濁したところで、叶亜たちによる取り調べが始まった。
「取り調べを担当する阿部だ。よろしく」
阿部が自己紹介すると、葵が目を潤ませて叶亜をみた。
「……詩音は?」
「彼女は、外で待っててもらってます」
「そう……ですか」
肩を落とす葵。
初めての取り調べに、どれだけ一人で心細いだろう。
詩音は見ていて切なくなった。
だがそんな彼女の心情など、お構いなしに叶亜は事件について聞いていく。
「あなたに聞きたいことが二つあります。一つは、昨夜あなたと被害者に何があったかを、もう一度話してみてくれませんか?」
「……舞から10万円を盗まれて、私は舞の家にその事について聞きに行きました。」
「10万円って……大金じゃないか。」
阿部が目を丸くする。

